光源氏のモデルといわれる嵯峨天皇の皇子・源融(822~895)の棲霞観と名付けた山荘を、没後の寛平8年(896)に阿弥陀如来を安置して棲霞寺に改めたのがこの寺の始まりと伝わります。その後の天慶8年(945)に重明親王(しげあきらしんのう、醍醐天皇の皇子)の妃が釈迦如来を安置するお堂を建立しました。
永延元年(987)に奝然上人(ちょうねんしょうにん、938~1016)が三国伝来といわれる釈迦如来立像を宋から持ち帰り、弟子の盛算(じょうさん)がこの地に清凉寺を建立してこの像を本尊として安置しました。この仏像が清涼寺型の釈迦如来立像で国宝に指定されています。清凉寺は何度かの火災に遭遇して現在見られる堂宇は江戸時代に再建されたものです。
清凉寺の霊宝館に安置されている国宝の阿弥陀如来三尊坐像は、中央の阿弥陀如来坐像は源融が生前に造立させたもので、両脇侍の観音・勢至両菩薩像は源融の供養のために子息が造立し、三尊が棲霞寺阿弥陀堂の本尊となっていました。
本堂の裏には小堀遠州(1579~1647、茶人・作庭家)の作庭による枯山水庭園が美しく見られます。江戸時代に建てられた弁天堂が池に影を落としています。
嵯峨釈迦堂の名で親しまれている清凉寺は、山号が五台山(ごだいさん)の浄土宗の古刹(こさつ)です。五台山は中国山西省にある標高が約三千メートルもある仏教の聖地で世界遺産に指定されています。五台山の山号は清涼寺の北西に聳える愛宕山(あたごやま、標高924m)を五台山に見立てて名付けられたものです。
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清凉寺の所在地
京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46
清凉寺本堂の拝観料
大人 400円
中・高校生 300円
小学生 250円
小人 200円
霊宝館は特別公開時のみ別途料金で拝観
清凉寺の拝観時間
午前9時~午後4時
4・5・10月・11月は午後5時まで
清凉寺への電車とバス
JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」下車徒歩約10分
市バス・京都バス「嵯峨釈迦堂前」下車すぐ