石山寺は聖武天皇(奈良時代第45代天皇、在位724~749)の勅願により天平勝宝元年(749)に良辨僧正(奈良時代の華厳宗の僧、689~774)によって開基された寺院です。東大寺の大仏を彫像の折、像の表面に鍍金する黄金を得る為に聖武天皇が良辨僧正に命じて聖徳太子の念持仏であった如意輪観音を石山に安置して祈誓させられたことに始まります。
石山寺の入り口は石山寺の東側を流れる瀬田川に向かって建つ東大門です。重要文化財に指定されている東大門は建久元年(1190)に源頼朝の寄進により建立されたと伝わる仁王門で、入母屋造、三間一戸、八脚門の豪壮な佇まいで鎌倉時代の風格を伝えています。両脇には鎌倉時代に作られた木像金剛力士像(仁王像)が置かれています。東大門から西に真っ直ぐに伸びる参道の両側には桜が並びます。
東大門から参道を進み石段をのぼり詰めた所に巨大な岩とその奥に国宝の多宝塔が見えます。石灰岩が高温マグマによって熱変成した硅灰石(けいかいせき)で、このおおきな石を見る光景が石山寺の名前の由来となりました。春にはこの硅灰石の前にはひときわ美しい白い桜が咲きます。
硅灰石と多宝塔を眺める広場の左側に建つ本堂は、滋賀県では最も古い総ヒノキ造りの木造建築物で国宝に指定されています。南側が山の斜面になっていて、本堂は懸造(かけづくり)(舞台造)の形で建てられています。現在の本堂内陣は承暦2年(1078)の火災で半焼した後の永長元年(1096)に建て替えられたもので、外陣は慶長7年(1602)に淀君の寄進により建て替えられました。本堂には重要文化財の木像如意輪観音半跏像がご本尊として安置されています。
源頼朝の寄進により建久5年(1194)に建立された多宝塔より少し坂を登った高台には「月見亭」が崖に乗り出した形で建っています。月見亭からは瀬田川とその向こうの琵琶湖が美しく眺められます。石山寺の月見亭は近江八景の一つの「石山の秋月」として知られ、秋の名月の日には茶会や句会が催行されます。
石山寺の所在地
滋賀県大津市石山寺1ー1ー1
石山寺の入山料
大人、中・高校生 600円
小学生 250円
団体割引あり
石山寺の入山時間
午前8時~午後4時半
石山寺への電車とバス
京阪電車石山坂本線「石山寺」下車徒歩約10分
JR石山駅より京阪バスで「石山寺山門前」下車すぐ